風立ちぬの声優が庵野秀明の理由はなぜ?下手くそ過ぎてひどい?

風立ちぬの声優が庵野秀明の理由はなぜ?下手くそ過ぎてひどい?映画
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2013年に公開された宮崎駿監督のジブリの名作『風立ちぬ』。

実在の航空技術者である同名の人物をモデルにした主人公・堀越二郎の、飛行機に憧れ続けた半生が描かれています。

この主人公・堀越二郎の声優を務めているのが、『新世紀エヴァンゲリオン』などの監督として有名な庵野秀明さんです。

庵野さんの声優には賛否両論があり、「下手くそ」だの「ひどい」という声も上がっています。

一体なぜ庵野さんが声優に抜擢されたのでしょうか。

理由が気になりますよね!

今回は、風立ちぬの声優が庵野秀明さんになった理由はなぜなのかについてや、下手くそ過ぎてひどいと言われる真相について見ていきましょう!

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風立ちぬの主人公「堀越二郎」の声優が庵野秀明の理由とは?

庵野秀明さんはアニメや映画監督としては有名ながらも、声優としての経験は全くありませんでした。

そんな庵野さんがプロの声優を差し置いて、主演声優に抜擢されたのはなぜなのでしょうか。

 

堀越二郎の声のイメージに合致した

『風立ちぬ』の製作が進んでいく中、青年期の二郎の声を誰に演じさせるかについてはなかなか決まらず、かなり難航していたようです。

打ち合わせを重ねる中、宮崎駿監督と鈴木敏夫プロデューサーは、主人公の堀越二郎を「内気なのではなく、頭が良すぎて口数が少ない男」だと分析。

さらに、キャスティング会議の際に、二郎の声のイメージについて、

  • 声の線は細くはない。
  • 昔のインテリは活舌がはっきりしていて声がちょっと高い。
  • 言葉数が少ない。内気だから喋らないのではなく、頭が良すぎてあんまり余計なことを言わない。

と語っています。

声優候補の一覧を見ても、この声に合う人物がいませんでした。

その結果、

「素人が演じたほうがまだ感じが出そう」

と結論を出します。

そして、鈴木敏夫プロデューサーから「庵野秀明」の名前が候補に挙がります。

庵野秀明さんの名前を聞いたとき、宮崎駿監督は「すごい案だな」と言いつつも少し考え込み、「真面目にやってみたいね」との考えに至ります。

声優としてのキャリアはほぼなかった庵野さんですが、鈴木プロデューサーからオーディションに呼び出され、二郎の台詞を読み上げると、これが役のイメージとぴったりでした。

オーディションの結果、二郎役は庵野監督に決定。

NHKのドキュメンタリー番組『プロフェッショナル 仕事の流儀スペシャル 宮崎駿の仕事』では、その舞台裏が放送されていたのですが、庵野さんがセリフを読み上げた時、宮崎駿監督はとても嬉しそうにしていました。

また、庵野さんを選んだ理由について、宮崎駿監督はこのように語っています。

堀越二郎はよくしゃべる人間ではないですから、そうすると、やっぱり存在感が大事なんです。思い入れたっぷりに演技されるよりも、ボソッとしゃべってくれたほうがいいんですよね。それで、庵野がいい、と

庵野さんの喋り方や素人さが、二郎のキャラクターにマッチしているとうことですね。

「下手くそ」「ひどい」「棒読み」などという意見がネット上には散見しているのですが、プロの声優が感情豊かに表現をしていたら、それこそ二郎のキャラクターにミスマッチしていることになります。

庵野さんの声に関しては賛否両論があますが、技術屋で独特の感性を持つ二郎の無骨な感じが声に出ていて、とても合っているのではないでしょうか。

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庵野秀明の生き方が声に出ている

庵野さん抜擢の理由には、他にも庵野さん自身の生き方が堀越二郎と共通していたということもあったようです。

宮崎駿監督は完成会見インタビューの際に、庵野さんの選出理由として、

「庵野が現代で一番傷つきながら生きてる感じを持っていて、それが声に出ているんで。角が丸くなったりギザギザしている。それがそのまま出てくれたから。それがいいと思ったから。」

と語っています。

庵野さんの「現代で一番傷つきながら生きてる」面については、多数報道もされているので分かる方には分かるかと思います。

テレビアニメ版エヴァンゲリオン放送後、精も根も尽き果て、抜け殻のようになっていたそうです。そして深刻な鬱状態を患い、飛び降り自殺を図ろうとしていたというのです。

当時のインタビューでこのように語っています。

『エヴァ』が終わった後、なんか、ものすごく怖い考えに捕らわれたことが一度だけある。それから鬱が激しくなった。死にたくなることもあって、愛を求める絶望的な叫びっていうんですか(笑)。そこまで行って、自分の孤独に耐えられなくなって、先が全く見えなくなったんです。

その時、ガイナックスの屋上に立って、実際に飛び込めるかどうか試してみた。死にたい気分じゃなくて、本当に死にたいのかどうか、それを試したんです。その時は、死ぬのが怖くて痛そうだってことで、物理的な苦痛から退いたんですよね。その後、一人でオイオイ泣いて寝たんです。

庵野さんは『エヴァ』の制作に伴い、激務とプレッシャーに晒され精神をやられていたようです。

まさに傷つきながら生きているという状態ですね。

 

また、ネット上の書き込みを見たことをきっかけにアニメ制作への熱意を失い「どうでもよくなった」と明かしています。

自分としては世の中とかアニメを好きな人のために頑張ってたつもりなんですけど、庵野秀明をどうやって殺すかを話し合うようなスレッドがあって。どうやったら一番うまく僕を殺せるかっていうのがずっと書いてある。こうやって殺したらいい、こうやって殺したらいいって。それを見た時にもうどうでもよくなって。アニメを作るとか、そういうのはもういいやって。

庵野さんはこのような書き込みは気にしなさそうなのですが、そういうわけではないようですね。

このような庵野さんの「現代で一番傷つきながら生きてる」面が声に表現されているので、堀越二郎にピッタリだと思われたようです。

 

宮崎駿監督はプロの声優が嫌い

その他の理由としては、宮崎監督は元々プロの声優があまり好きではないということもあります。

宮崎監督はプロの声優について「『わたし、かわいいでしょ』みたいな声を出すでしょ。あれがたまらんのですよ」というコメント出しています。

そして、プロの声優のことを「声の風俗嬢」だとも評していました。

徹底的に媚びた声を出して楽しませるというやり方をしているのがプロの声優で、そういう声の出し方ではなく、もっとちゃんとした声の出し方をできる人をキャスティングしたいとのことです。

また、『風立ちぬ』ではプロの声優ではない役者の起用も候補者リストにはあったようですが、採用には至りませんでした。

理由として宮崎監督は、

「嫌になっちゃったんだよ、役者さんが。みんな同じような感じで喋っているんだよ。相手の心を慮ってばかりでね。分かってるふりをして、感じを出して、感じが出てる僕って感じで。」

このように、役者の演技すらも嘘っぽく感じて嫌になったようです。

宮崎駿監督は自分が監督したアニメ作品では嘘っぽさを徹底的に嫌う傾向がありますね。

キャラクターに合った声を自然体で出せるか、というところが重要で、上手い演技も必要はないようです。

一部から「棒読み」や「下手くそ」と言われている庵野さんですが、このような考えを持つ宮崎監督からすれば適任だったということでしょう。

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庵野秀明とスタジオジブリとの関係は?

以上のような経緯で庵野さんは堀越二郎の声優を務めることになったのですが、そもそもなぜ鈴木プロデューサーは初めに庵野さんの名前を出したのでしょうか。

庵野さんとスタジオジブリとの関係はどうなっているのでしょうか。

 

『風の谷のナウシカ』の作画スタッフをしていた

庵野さん若手の頃に宮崎監督の下でアニメーターとして仕事をしていて、『風の谷のナウシカ』の巨神兵登場シーンの原画も担当しています。

宮崎監督から叱咤激励を受けながら、監督としての仕事の進め方等を学んだと言われています。

そんな宮崎監督ですが、初めて庵野さんを見た感想は「宇宙人が来た」と思ったようです。

友人から借りた背広の上下を来て、はだしの足にビーチサンダルを履いてやって来たのを見て「こいつは面白い」と思い、巨神兵登場シーンの原画をやらせたとのこと。

その巨神兵登場のシーンを高く評価した宮崎監督は、庵野さんを自分の『天空の城ラピュタ』へ誘ったのですが、別の作品に誘われていて断ったようです。

宮崎監督はよっぽど悔しかったか、一時期は週に1、2回庵野さんのスタジオに来てスカウトするというエピソードもあるようです。

その後、宮崎監督は『となりのトトロ』のオープニング映像制作にも誘ったのですが、同時期に制作していた高畑勲監督の『火垂るの墓』に参加するために断られています。

庵野さんもやりたかったようですが、スケジュールの都合でどうしてもできなかったようですね。

このように、宮崎監督からも絶大な支持を得ていて信頼の厚さも伝わりますね。

庵野さんとスタジオジブリとの関係の強さが分かります。

 

庵野秀明は宮崎駿を師事している

また、庵野さんは宮崎監督のことを師匠であると公言しています。

『風立ちぬ』の完成報告会見で、庵野さんは宮崎監督について

「『アニメーションはこういうふうに作る、映画というのはこういうふうに作る』という手本を示してくれた人なので、やっぱり師匠です。宮さんが違うと言っても、これでもう、既成事実です」

と語っています。

また、風立ちぬの声優のオファーがあった際も、初めはできないと思っていたようですが、「宮さんの頼みじゃ断れない」と言って指名を快諾しています。

宮崎監督の下で学んだ庵野さんにとって、宮崎監督の存在はとても大きいようです。

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風立ちぬの声優が庵野秀明の理由はなぜ?下手くそ過ぎてひどい?【まとめ】

風立ちぬの主人公・堀越二郎の声優が庵野秀明さんになった理由について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。

なぜ庵野秀明?と思ったのですが、庵野さんの喋り方や素人さ、また内面自体が二郎のキャラクターにマッチしていての抜擢とのことで、とても納得しました。

一部からは「下手くそ」や「ひどい」などと言われていますが、その自然体の喋り方が嘘っぽさがなく二郎には合っていますよね。

以上、風立ちぬの声優が庵野秀明さんになった理由はなぜなのかについてや、下手くそ過ぎてひどいと言われる真相についてまとめてみました!

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