週刊ビッグコミックスピリッツ36・37号(2021年8月10日発売)に『チ。―地球の運動について―』の36話が掲載されました。
前回35話のネタバレでは、処刑になったオクジーとバデーニの地動説への想いがとんでもない形で繋がっていくことになりましたね。
休載明けで25年後からのスタートになるのですが、地動説の解明は進んでいるのでしょうか。
それともC教徒がさらに力を付けているのでしょうか。
また、次の世代の主人公はどんな人物なのか、ヨレンタやノヴァクの再登場はあるのかなど、次の展開が気になるところですよね!
それでは「チ。―地球の運動について―」【36話】のネタバレや感想について見ていきましょう!
チ。―地球の運動について―【36話】ネタバレ・あらすじ
スピリッツ36・37号で『チ。 -地球の運動について-』を読みました。
第3章が始動、まだ何も分からない(主人公の顔すら出ていない)。
ただ2章から25年後で、これまでの主人公と違い最初からC教正統派と敵対していそうなことだけ見えていました。
どう進むか楽しみ😀#チ。#地球の運動について pic.twitter.com/n8Ybp4a5dh— ゴユビナマケモノ (@2083Dydy) August 10, 2021
異端者の村
夜、村はずれのような静かそうな場所で、男2人が村中から集めたであろうたくさんの十字架を山積みにしていた。
「これで全部か」
そう確認をした後、男の1人が十字架の山に火をつけて燃やした。
その光景を近くの小屋の隙間から覗いてみている母親と子供がいた。
子供の手には小さな十字架を握りしめ、その上から母親の一回り大きな手が握りしめている。
息を殺して覗いているところに、誰かの足音が近づく。
ドキッとする母親だったが、身支度を整えた父親が戻って来たのだった。
「準備できた。行こう。」
そう言うと、荷物を背負った3人は小屋を出て、どこかへ移動して行くことに。
どうやら村を出てどこか違う場所へ行くようだ。
周りを気にしながら逃げ出すかのようにそそくさと移動をする3人。
「あの人達は何をしてたの?」と聞く子供に「勘違いだ」と答える父親。
分かり合えない兄弟
少し歩いたところで父親の弟が現れる。
「あ、兄貴。家にいないと思ったら一体何してるんだよ こんな時間に・・・!」
弟は父親たち家族3人を探していたようだ。
「残念だが…この村、俺らの故郷はおかしくなってしまった。十字架を燃やすなんて…」
そう言って、他所へ行くことに決めたことを伝えた。
その時、子供のお腹が「グ~」と鳴った。
「ん?あぁ すまん坊主、腹減るよな」と甥っ子である子供を気遣いつつ「俺も腹が減ってる」と言う弟。
そして、自分たちはなぜこんなに貧しいのかと兄貴に訴えかけた。
貴族は戦い、農民は作り捧げる、そういうものだと当たり前のように答える兄貴である父親。
「そりゃわかる。貴族は責任を果たしている。でもよ、わからねえのが聖職者だ。」
そう言って弟は聖職者の矛盾や不満を吐き出した。
聖職者は「勤勉で、謙虚で、質素に生きろ。それで救われる」と説き、教えを信じた農民たちは協会税を払っている。しかし、清貧を説くくせに自分たちは聖職売買で稼いでいる。
さらに、その税でたらふく食って酒場じゃ呑んだくれた僧侶がくだを巻いて、終いには貧民の女児や男児を買っている。
「なんで俺らは、この現状に黙って従わなきゃいけねえんだ?」
心の叫びのようにそう吐き出す弟だが、それを聞いた兄は一定の理解を示しつつも、「この村の暴力的なやり方ではC教の分断を深めるだけ。このままではこの村は、皆、異端になってしまう!」と、危ない考えにストップをかける。
それを聞いた弟は「なるほど、わかった。分かり合えないみたいだ。」と結論を出す。
そして、腰に装着していたナイフを取り出し、兄貴である父親に切りかかった。
胸を横一文字に切り、倒れた兄に馬乗りになる弟。
驚き駆け寄ろうとする母親と子供に「逃げろ!」と父親は叫んだ。
しかし後ろからはナイフを持った2人組の男が現れ道を塞ぐ。弟と同じ聖職者に反感を持つ村の住人のようだ。
馬乗りになりナイフを向ける弟だが、とどめをさそうとはしない。
「何故・・・ひと思いに・・・殺らない・・・」
そう問いかける兄に対し弟は「時間をあげている」と言う。
「自分の浅はかさを理解する時間、絶望する時間、そして改心する時間。」
「C教正統派は間違っていたと言え!今すぐ!」
弟がそう叫んだところで、「子供は・・・助け・・・」と言いながら兄である父親は息を引き取ってしまった。
そのまま振り返った弟は息子の方へ行きナイフを振りかざす。
弟に命を狙われる子供だが、子供を狙うその隙に母親が横から弟の脇腹にナイフを刺したのだった。
母親は「逃げなさい!」と子供に向かって叫んだが、ナイフの刺さり方が浅く致命傷にはなっていない弟は、母親の顔面に膝蹴りを入れやり返す。
「逃げて!」と叫ぶ母親。
さらに母親の腹に蹴りを入れる弟。
母親がやられている隙に、子供は首からぶら下げていた十字架を握りしめ、遠くへ走って逃げだすのだった。
捕縛された異端者シュミット
・・・
そして場面は切り替わり、異端尋問官が捕縛された異端者を運ぶ馬車の中。
逃げ出す子供の後ろ姿から繋がるように、顔を覆う布を被せられて運ばれる異端者の後ろ姿へと切り替わる。
異端者が手を縛られ顔を隠された状態で、教会に運ばれていく。
教会についた異端者は、縛られた両手を後ろに回された状態で椅子に座らされた。
シュミットと呼ばれるその男は、「異端開放戦線」という部隊の一員のようだ。「異端開放戦線」は各所の尋問所を襲撃し異端を開放して回っているて、C教の悩みの種とのこと。
椅子に座らされたシュミットに対し、尋問官は話す。
「貴様の部隊は有名だな。あの忌まわしい”入隊試験”とかで、アレはお前らの組織内でも問題視されてるんだろ?よく平気でいられるな?神を殺すのが目的か?」
「アレ」は何を指すのかは分からないが、シュミットの部隊ははC教徒の中でも有名のようだ。
その問いかけに対しシュミットは「違う、君らが神を殺しているのだ。」と答える。
続けて「ここ最近C教正統派の権威は揺らぎ続けている。私だけでなく時代は変革を求めているのだよ。」と言う。
「その一字一句に反吐が出るよ。異端者が・・・!」と返す尋問官。
異端者と言われたシュミットだが、自分はC教徒の言う異端者ではないと否定。
シュミットは「派閥を問わず、すべてのC教を否定している。それどころか私はどの宗教も等しく信じていない。いずれすべての宗教を廃絶したい。」と言う。
そして自分のことを「自然主義者(ナチュラリスト)」だと名乗る。
自然主義者は、神が宿りし物を崇めて人が作ったものには興味がないのである。だから人口の神などもっての外で、「神は理性の外、自然にこそ宿る」とシュミットは語る。
それに対し尋問官は「自分は正しいと盲信してるようだな。貴様のその勘違いを根拠に、何人死んだと思ってる!」と返す。
勘違いと言われたシュミットは「勘違いか。それは私が最も嫌悪する言葉だ。」と吐き捨てた。
さらに尋問官を煽り続けるシュミット。
シュミットの態度に尋問官は次第に熱くなり立ち上がり「もう十分だ!」と声を荒げる。
何を言われても冷静に返すシュミット。
「私は、常に優位なのだ。」とシュミットが言ったところで、尋問官は「口では何とでも言える!」と言いながら、シュミットが被っている顔を覆う布をもぎ取る。
すると布の下からは兜が現れた。
シュミットは、布の下にも顔を覆い隠す兜を被っていたのだった。
チ。―地球の運動について―【36話】感想・今後の予想
「勘違いか。それは私が最も嫌悪する言葉だ」(『チ。-地球の運動について-』)。 pic.twitter.com/5r19FHZozz
— TAKEHIKO Mizuno (@noxvinkle) August 21, 2021
今回の36話は予想のできない展開でした!
そしてこの後どうなるかも全く分からないです。
この予想のつかない展開がこの漫画の面白いところですね。
前回から25年後とのことですが、25年後なのは後半のシュミットの尋問のところで、前半はシュミットの子供時代の回想シーンだと考えられます。
逃げる子供の背中からシュミットの背中に切り替わるシーンや、子供時代に父親から「勘違いだ」と言われ、シュミットが「勘違いは私が最も嫌悪する発言」と言ったことからも同一人物だと分かります。
今後はヨレンタやノヴァクといった既存のキャラクターがどう絡んでくるのかがカギとなりますね。
25年後なのでノヴァクはあれで終わりかもしれませんが、ヨレンタはわざわざ逃がされたので、必ず再登場はあるはずです。
「異端開放戦線」に関りがある人物の可能性が高そうです。リーダーになって登場すれば面白いのですが漫画的過ぎますかね。
あとはシュミットが何者かということですね。
顔を隠しているので既存のキャラクターかなと初めは思ったのですが、生き残っているキャラクターはほとんどいないので、新キャラだと考えるのが妥当ですね!
そしてあの兜は何なのでしょうか。謎が多すぎる・・・
次回を楽しみにして待ちましょう!
チ。―地球の運動について―【36話】まとめ
オススメにあった
「チ。」
うん、面白いし続き気になる~!! pic.twitter.com/NEHSOUu6it— しーた@DQWドラゴロウのマブダチ (@RijP36SZTjz7WjF) August 14, 2021
以上、『チ。―地球の運動について―』36話のネタバレ&感想をお届けしました。
次回の『チ。―地球の運動について―』37話はビッグコミックスピリッツ38号にて掲載予定です。
次回のネタバレ&感想の記事もお楽しみに!
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